HerBESTができてからはや1年。
少しずつお客様が増え、サービスも安定してくる中で、ひとつ。当初からやってみたかったことに挑戦しています。
それは地方からの採用です。
なぜ、私たちが地方からの採用を進めるかについてはこちら↓
http://herbest.asia/news/hpan1803/
~前回までのあらすじ~
カレンから始まった田舎採用は、なぜかエイヤワディに。でもなかなか良い結果に結びつきません。
原因は、やっぱり私たちが怪しいと思われてしまうこと。心折れそうになりながらも、今回はモーラミャインへ。果たして無事採用ができるのか・・・旅は続く・・
モーラミャインに到着したのは朝の4時。
ヤンゴンを夜中に出て、まだ真っ暗な街に到着した。途中で強制的に起こされるパーキングエリア。
せっかく爆睡していたのに、真夜中に軽快な音楽とともに起こされるのは、結構辛い。
まだ夜明け前のモーラミャインだというのに、一歩外に出ると群がるタクシードライバーたち。
みんな、夜行性なのか朝方なのかもうわからない・・・。
なんとかふらふらと立ち上がって、夜空の下を歩き始める。同行してくれた友人の友人であるミャンマー人の青年が迎えにきてくれるというのでしばらく待っていた。来ない・・・電話をする・・・寝ていた・・・そうだよね、まだ夜中だもんね。
40分後、まだ寝癖をつけたままで彼がようやく現れた。名前を「きよしくん」という。
きよしくんはミャンマー人だ。日本が好きすぎてついにきよしと名乗り始めたようだった。
向井理似のイケメンだったので、テンションが上がる。
きよしくんの家にみんなでお邪魔する。朝まで寝かせてもらうことになった。
とはいえ、寝ていたのはコンクリートの上。腰が痛くなったけど、
起きたら良い香りがして、見ると白い綺麗な花が飾られていた。
「いい匂いに包まれてねれるかなと思って」
なんだ!どこまで君はイケメンなんだ!!(笑)
今回のモーラミャインは、このきよしくんに全て案内と通訳をしてもらった。
まだ私のミャンマー語は十分ではないため、しっかりと会社について説明できない。
とてももどかしい。
訪れたのは、HIVや家庭内暴力被害者、そして孤児などの自助グループ。彼女たちにはやっぱり職がなく、自分たちでまとまって生活をして、お土産を作ったり服を作ったりして生計をたてている。
これを支援しているNPOの理事にあって、私たちの話をする。
彼女たちにとってHerBESTという会社が自立していく一つの道になれば嬉しいし、
そのために将来的にパートナーシップを築いていけたら・・・という話。
その話を熱心で横で聞いている女の子がひとりいた。
名前をThu Za Linという。ここでボランティアスタッフとして働いている。
まだ若干25歳の彼女もまた夫のDVの被害にあって、その経験から、
そういう女性を支える仕事がしたいと、ここでボランティアを始めたのだという。
そんな彼女が突然私に言った。
「その仕事は私でもできますか?」
答えは決まっている。
「もちろん。」
聞けば、そこでのボランティアの期限は来月まで。それが終わったらHerBESTで働きたいという。
彼女ほどぴったりな子はいないじゃないか!と思い、ほぼ即決。念のため彼女の本気度を確かめるため後日ヤンゴンでの面接を設定した。
そんなこんなで、将来に対する期待を胸に終えたモーラミャイン。
みんなで見た夕日はとっても綺麗でした。早朝から一日、案内と通訳を喜んでしてくれたきよしくん、そしてここまで連れてきてくれた友人に感謝。
後日、彼女は無事採用が決まった。
今、HerBESTで初の田舎採用者としてトレーニングを積んでいる。
慣れないヤンゴンで大変なこともあると思うけど、ここが彼女の居場所になって言ってくれればいいと思う。これから起こるたくさんのトラブルもたくさんの素敵なことも、分かち合える仲間が、また一人増えたことを、そして田舎採用で、少しでも誰かにとっての選択肢をつくれたことを誇りに思う。
まだ始まったばかり。でも今は0.1%くらい、私たちの作りたい世界に近づけたことを、
私は密かに喜びたいと思っている。