ヤンゴンの乾季に月1回行っているClean Yangon Green Yangon(CYGY)も、小さいながらも3月で第10回を迎えます。とてもゆるくやっていながらも、、、毎回、たまに来てくださる方々、ほんとうにありがとうございます!
日本を始めとするアジア、欧米、アフリカ、そしてミャンマーの方々に広がり、最近では、ヤンゴンの都市計画を進めている組織などともコンタクトを取りながら、少しずつ、認知や間口も広がってきました。
今回は、Clean Yangon Green Yangonで使っている”孔雀ロゴ”を、私たちが、どんな想いで作っているか、ご紹介できればと思っています。
そもそもClean Yangon Green Yangonって何?
Clean Yangon Green Yangon(以下、CYGY)は、
”おそうじは、人の心も綺麗にする。国籍や宗教、民族などの立場を超えて、ひとりひとりの小さなゴミ拾いが、ヤンゴンという街の未来を動かしていく。ヤンゴンをクリーン、グリーンに”
というコンセプトの元、ヤンゴンにいるGood Peopleと私たちHerBESTが主体となって、毎月ゴミ拾いをしています。
正直な話、どこの都市でも、同じようなゴミ拾い活動はあるし、月一回のゴミ拾いで何が変わるの?とも思われる側面も。CYGYスタート後に始まったヤンゴン市のClean Yangon Projectにパクリと言われたり、ゴミ拾い活動の多くのキーカラーは、グリーンでビジュアルも他の活動と似てくると笑
そんな多くの活動の中で、Clean Yangon Green Yangonらしいストーリーが語ることが出来る国境を超えたシンボルマークが必要でした。
CYGYのビジュアル的な象徴に必要な要素は?
ロゴは、かっこよかったり、美しければそれでOK、というものわけにはいきません。
まず、活動地ヤンゴンで異なる文化圏の人々が参加する活動のため、
・シンプルである
・文化や言語を問わない
・ミャンマーの伝統的なモチーフやカラーを取り入れる
この3つを前提に、CYGYの活動のコンセプトやメッセージを、ビジュアルを通して、活動に参加する人々、周りで見かけた人々に、わかりやすく伝えていくことを目指すことに。
カラーに関しては、緑化、そしてミャンマー国旗にも使われているカラーに寄せて、調和や団結を意味する「緑」を使用しました。少数民族が多く存在するミャンマーにおいて、調和や団結は不可欠。海外の人を巻き込んで、一緒に街をよくしていこう!をカラーに表現しました。
ボーダーを超えていくシンボルマーク、孔雀に込めた3つの想い
CYGYのシンボルマークには、孔雀を選び、大きく3つのメッセージを込めました。
1.ミャンマー人にとっても馴染みがあって、世界中の多くの地域の人にとって、ポジティブな象徴である
2.宗教などのメッセージを持たない
3.最下層の仕事とされるゴミ拾いに気品さを持たらす
1.世界中の多くの地域の人にとって、ポジティブな象徴である
王政から植民地時代、ミャンマーの国章としても使われていた孔雀は、多くのアジア地域で「太陽」のような存在として、気品や縁起の良いものの象徴です。
欧米の宗教的にも、陰陽ありつつも、総じてポジティブな印象があります。例えば「受胎告知」や「イエスの復活」にも登場し、キリスト教的にも重要な動物の1つです。
2.個別の宗教色が出ない
ミャンマーのビジュアルイメージといえば、パゴダを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。実際ヤンゴンで行われる多くの活動やビジュアルイメージで、パゴダが使われています。
大変分かりやすいけれども、パゴダは仏教であり、ビルマ民族で、ミャンマーを象徴する抽象度はないかなと思っています。動物はどうしても宗教的な意味合いを持ってしまいますが、どの宗教にとっても割りとポジティブな動物を選びました。
3.最下層の仕事とされるゴミ拾いに、孔雀の気品さを
ミャンマーでも、私たちHerBESTが行っているハウスマネジメントサービスやお掃除という行為は、最下層の職業とされています。
しかし、私たちは掃除を、とっても美しい行為だと思っています。
単に物理的なゴミを取り除くだけではなく、気持ちのよい快適な空間を自ら作り出し、参加者が街とのエンゲージメントを感じ、街を愛着が湧いてくると。
逆に汚い空間は、治安にも影響しますし、誰かが掃除するから良いと思っている他責の街は、どんどんと荒れていってしまうことになります。
公共空間をみんなで大切にしていこう、という気持ちが街に醸成されていって、街と人、人と人の繋がりをつくっていこうと思っています。
CYGYの想いが、異なるボーダーを超えて、つなげていく
ものを大切にする、見えない繋がりに意味を見出すなどの世界の見方である「世界観・価値観」は、Japan Valueのひとつです。この価値観が少しでも伝わっていければと思っています。
CYGYには、多くの海外からのエキスパッツや、ミャンマー人が参加しています。職業も弁護士、NGO、投資家などバラバラ。孔雀が立場を超えた人々をつなげ、ヤンゴンに未来に貢献できるような存在になっていけるように行動していきます。
YangonにいるGood Peopleの活動がシンボルマークを育て、ストーリーを語っていく。
シンボルマークは作って終わりではありません。今後どのように育っていくかが大切です。共感するコンセプトに集まった素敵な人々が集まるコミュニティになり、CYGYのストーリーが語られていくことを目指しています。
いまはとても綺麗な日本でも、戦後は土地や心が荒れ果てそうになっていたと聞きます。しかし、江戸時代から既に進んでいた衛生観念をもった日本人の祖先たちは、10年、20年と地道な活動で、今の日本の綺麗な環境を創っていきました。
ミャンマーがどうなっていくのか、そして自分たちがいつまでヤンゴンにいるかもわからないけど、生きている、住んでいる間だけでも、自分の大切に思っていること、信じていることは伝えていきたいし、その想いでつながっていきたいと思い、この活動を始め、みなさんの協力を得ながら、毎月地道に地味に続けていっている活動が、このCYGYです。
ゴミ拾いがてら、
・ヤンゴンに住む新しい人と出会う
・子どもの教育に良いから参加したい
・久しぶりに会う友人と会うきっかけづくり
・なんなら仕事の打ち合わせ
に使って欲しいと思っています。活動の意義や方向性は揃いつつも、みんなが参加するモチベーションはバラバラでも良いかなと。
孔雀のように素敵な価値観を持ったみなさんのようなGood Peopleと一緒に、あらゆるボーダーを超え、大きな未来に向けて、小さなゴミたちを拾っていきたいと思います。
毎月月末の土曜日もしくは日曜日に実施しているので、是非お気軽に参加ください。