冷房では防げないヤンゴンの湿度・カビ対策とは

ヤンゴンの6〜9月は、突然やってくるスコールや、ずっと降り注ぐ雨との毎日が続いていますね。そんな湿度が高く気になる季節で、困るのが「カビ」

大事なバッグが・・・、風呂に黒「カビ」が!など困っている方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

実は「カビ」は減らすことはできても、完全に消すことは生活環境では不可能。
しかし、スーツやカバンにカビが生えいる状態は避けたい、お風呂場の黒カビをなくしたい、病院に行くまでの不調ではないけど、咳が出るなど、気づかぬうちに肺を蝕んているケースも多くある「カビ」

「カビ」対策に頭を悩ましくない!というヤンゴン在住のために、おすすめの「カビ」対策方法をご紹介します。

見方を変えれば人間の味方。そもそも「カビ」ってなーに?

ヤンゴン在住者にとっては、残念なことに身の回りに多くの「カビ」がありますが、、、そもそも「カビ」というのは、多くが糸状菌と呼ばれる菌を指します。

一方で、乳酸菌、ビフィズス菌といった「菌」は細菌を指していて、
・「カビ」やキノコなどの菌類は私たち動物の仲間の真核生物、
・細菌は生物学上、原核生物
でけっこう違うカテゴリーにはります。というか「カビ」は広く見れば、酸菌やビフィズス菌とは異なり、人間と一緒の分類なんです!驚きです。

室内外どこでも生息していて、ヤンゴンでは建物の壁面の黒っぽいやつ、お風呂場の天井やタイルなどでみるものなど、いたるところで見かけます。食べ物や水アカ、ホコリ、皮膚の脂がご馳走で、人間にとっては有害な化学物質も分解してくれるので、見方を変えれば、人間の味方にもなりますね。

ただし、トイレや窓ぎわに生息する黒「カビ」(クラドスポリウム)は、喘息やアレルギーの原因にもなる毒性をもっているなど、「カビ」が増えてしまうと、気づかぬうちに人間の健康被害につながってきます。

また、ペニシリンの抗生物質をうった祖先がいる欧米人や日本人は、多くの「カビ」に耐性が無いと言われてもいます。特に東南アジアエリアは、「カビ」の量が多く、注意が必要です。

「カビ」が集まると「カビ」が見えてくる、「カビ」を減らすポイント

1個の「カビ」の大きさは、1〜100マイクロメートルしかありませんので、当然ながら見えません。

「カビ」は、およそ数億から数十億個まで増えた場合に見えてきます。恐ろしいですね・・・温度、湿度(水分)、酸素、栄養が適した環境になると天文学的に増えていくのです。

逆に言うと、「カビ」は存在していても、増えなければ、大きな塊(コロニー)にはなりません。「カビ」増殖時に胞子を飛ばすまでの間に、除去し増やさない環境をつくるかがキーとなってきます。

「カビ」が元気よく増えていくには5つの環境要因があります。

  1. 酸素(空気)
  2. pH2〜9
  3. 温度が25〜40度
  4. 湿度が60%以上
  5. アカなどの栄養分

この環境を潰していくことが有効ですが、1〜3の酸素、室内のPH値、温度は変えることが難しいです。酸素も必要ですし、室内のpH値ってどうやって変えるんだ・・・

湿度と栄養分を残さないようにする工夫だけでも、ヤンゴンでも「カビ」は息を潜めます。そのため今回は、すぐにできる湿度と栄養の2つに絞って対策をご紹介します。

1.湿度60%未満に!とにかく湿度を上げないようにすること


多くの「カビ」は水での増殖を得意としています。そのため、湿度を60%未満に落としていくことがポイントです。ヤンゴンの雨季ですと、エアコンをかけていない部屋は、雨が降っていなくても75〜80%にすぐに上がっていきます。使っていない部屋でもエアコンの除湿や除湿機で湿度を下げておく工夫が必要です。冷房ではなく除湿にしましょう!

まずヤンゴン在住者に絶対買ってほしい、湿度計

たった1,000〜2,000円くらいです。ぜひ買ってほしいです。冷房で室内の温度が下がっていても、例えば24度なのに湿度は70%とかもザラにあります。体感に騙されず、湿度を下げるためにも、湿度計の設置がおすすめです。

わたしたち、HerBESTのオフィスは、ThermoProさんのデジタル湿度計を使用しています。
湿度計で数値を見える化して、50%台を保つように湿度管理をしています。

冷房ではなく除湿が有効の理由とは。温度と湿度の関係

なぜ冷房ではなく除湿かといいますと・・・冷房で温度を下げると湿度が上がるのです。
湿度というのは、空気中に含まれる水分量である水蒸気を、割合(%)で表したものです。

湿度を説明するうえで「飽和水蒸気量」という言葉があります。これは、簡単に言うと、”空気中に溶け込める水蒸気の限界量”のことで、温度によってその量が変化します。気温が高くなると、飽和水蒸気量が増え、気温が下がると減っていきます。

つまり、ある温度で、空気中に溶け込んでいる水蒸気量が、飽和水蒸気量の限界までになると湿度100%となるんです。そのため、温度だけ下げると、空気中の水蒸気量の限界値は下がり、湿度は上がります。

ちょっと難しいですね・・・「冷房では湿度は上がる」と覚えてもらえると幸いです。
そこで、冷房のみで温度を下げたとしても、湿度は下がらず、むしろ数値は上がっていくため、湿度を下げたい場合は、冷房ではなく、除湿がおすすめです。除湿でも十分に温度は下がります。

2.室内干しは避けたいが、やるのであれば完全個室で

ヤンゴンでの室内干しは、浴室乾燥機がない部屋では、かなり悪い一手です。

  • 室内の湿度を上げてしまうこと。もわっとしますよね。
  • 水分が他部屋の押し入れや天井に広がっていく
  • 洗濯後の洗濯物の落とせなかった汚れの菌が「カビ」の餌になる
  • さらに扇風機を回すと、菌を部屋中に撒き散らす(胞子が飛んでいく)

など、室内干しをすることで、部屋の「カビ」も増え、服の雑菌も増えてしまいます(部屋干しくさくなる)。できるだけ乾燥機を使った乾燥が有効です。

3.お風呂・シャワー後の床や壁は、水切りで水分を取る

お風呂やシャワー後は、なるべく浴室内の水分を切っておくことが有効です。30秒程度の作業ですが、習慣にすると意外と苦ではありませんので、ぜひ試してみてください。

4.トイレの蓋は閉める!お風呂のドアは開けっ放しにしない

トイレ内の雑菌が入った水が蒸発して、室内の湿度を上げ、天井や壁の「カビ」に繋がります。特に、お風呂内にトイレがついてるケースが多いので、終わったら閉める、これだけ。また、トイレやお風呂の部屋のドアは閉める、これだけ。

5.部屋の換気、換気扇があれば回しっぱに

ヤンゴンの外の空気を入れたくありませんよね、無理にとは言いませんが空気の換気は大切です。

2箇所以上の窓を開けて、空気の流れを作り、雨が降っていない、風が通っているタイミングを狙って勇気を出して開けてみましょう。換気扇がある部屋であれば、換気扇は湿度が気になるときは常時回すのが有効です。

6.除湿剤、炭、新聞紙、重曹などを使う

いずれも効果がありますが、除湿剤や新聞紙は水が貯まれば交換しなくてはいけず、少しメンテンスが必要です。

7.「カビ」の栄養をなくす!地味にとても効果があるのは掃除

排水口のぬめり、ほこり、汚れ、すべてが「カビ」の栄養となります。そのため、湿度以外でできるのはこまめな掃除です。室内の上からほこりを落とし、拭き取り、掃除機で吸い込む。お風呂場であれば、水垢や石鹸カスを取り、水を拭き取るというのを最低でも週1回するだけで、「カビ」の減少に有効です。

いくら湿度管理を徹底したとしても、掃除をせず多くの栄養がある状態ですと、乾燥に強いカビが、はびこってきますので注意が必要です。

ヤンゴンのお家はとても広いため、面倒な方はメイドさんやハウスキーピングサービスを活用するのが良いかと思います。「カビ」が原因で喘息、肺が「カビ」る、お気に入りのアイテムが「カビ」る、そして毎日シャワータイムを快適なものにしていきましょう。

ヤンゴンの「カビ」は付き合い次第で、簡単に避けられる

湿度管理と掃除をすることで、「カビ」のリスクを大きく避けることできます。「カビ」嫌だな〜というのを考えるのも面倒なので、湿度を落とす、掃除をする、ということをこまめにやっていきましょう。