田舎に行って来ました~パァン編~

HerBESTが田舎から採用するわけ

HerBESTができてからはや1年。
少しずつお客様が増え、サービスも安定してくるなかで、ひとつ、ずっと最初からやってみたかったことに挑戦し始めようとしています。

それが「地方からの採用」です。

なぜ、私たちが地方採用を進めるのか。それは地方にこぞ解決したい課題がある、と考えているからです。

ミャンマーの田舎、とーってもいいところが多いのですが、こんな課題も抱えています。もちろん一括りにはできないのですが・・
・女性の働く場所がない
・職を求めて都会に行こうとするもどうすればいいかわからない
・怪しいエージェントが横行している

とっても家族を大事にするミャンマー。家族を支えようと、仕事のない田舎から都会に出て仕事を探そうとする女性も多いです。でも、ずっと田舎で育って来た彼女たちにとって都会に行くというのはなかなか勇気のいること。右も左もわかりません。

そんなところにやってくるのが怪しいエージェントたち。(もちろん良い人もいると思いますが)
「ねぇねぇ君たち、都会で働かない?いい仕事があるんだ・・・」
と一見良い話を持ちかけます。
だけど、そのエージェントをちゃんと見極めることができないと、タイに不法で連れていかれてしまったり、望まないのに売春婦にさせられてしまったりといったトラブルは後を絶ちません。

そんな彼女たちの選択肢の中に、HerBESTが入ることができたら良いなぁ・・
安心して働いてもらえる場所になれないかなぁ・・・
そんなことをずっと、考えていたわけです。

パァンに行ってきました

そんなところで、私たちがまず選んだ場所がミャンマーのカレン州の州都であるパァンという町。ここは湖や、山に囲まれたとても美しい場所。

ここに、まず行ってきました。

ここはHerBESTにとっても思いで深い場所で、初めて訪れた田舎。経営合宿をするときなんかも、なぜか帰ってくるそんな場所です。

何回か訪れるたびに、ただいまーと声をかけたくなる人や、おかえりーと言ってくれる人が増えてきて、なんとなく、ここにしよう!と決めたのでした。
聞けばカレンの人は働き者で、英語も喋れて、まっすぐでとても良い人たちだと言います。

そんなところからぜひ、HerBESTで働いてほしいと思い、ここを最初に訪れることとなりました。

なんだかやっぱり、ただいまと言いたくなる街並み。少し見慣れた食堂とメニュー。ミャンマーの田舎に流れる穏やかで暖かい空気に早速癒される私たち。

ここではまず友人の紹介でベランダというカフェに行ってきました。ベランダはローカルの若者のコミュニティスペースにもなっていて、ここで、日本語教室など開かれているとのこと。まずはこの子たちに、話をします。

興味を持ってくれる子もいるものの、やっぱり、ローカルの子にはヤンゴンに出て行くのはちょっとハードルが高かったり、大学を出た子にとってはハウスキーピングは選択肢になかなか入らず、なかなかうまく行きません。私たちが、彼らにとって、得体の知れない人たちだから尚更です。

次に訪れたのは、友人であるカレン出身のザーニーのお家。
パァンエリアの教会のcommission memberであるザーニーのお義父さんに、教会で話してもらえないかの交渉をします。結果はOK。必死でそこから、HerBESTの募集要綱を作って、お義父さんに託します。

そんなこんなで、第一回田舎出張はおしまい。
果たして無事に採用ができるのか・・・ドキドキです。

地方に採用に出かけて感じたこと

正直に感じたことは、やっぱりハードルが高いなということ。
そりゃそうです。ミャンマー人からしたらある日突然、知らない外国人がやってきて、うまい話を持ちかけているようにしか見えなかったりするわけです。
実際そんなブローカーもたくさんいて、中国へ子供が連れ去られてしまっただとか、シンガポールで辛い目に遭わされたとか、そんな噂が蔓延しています。

そんな中で、突然やってきた人に、自分の大事な人の将来を託すこと、きっと不安ばかりでしょう。

もう一つ感じたことは、地方の人材は優秀な人が多いなということ。田舎で育ったからか、素直で優しい人が多く、そして英語も結構しゃべれる人もいると感じました。地元をとても大事に思っていて、自分の地元に貢献できるような仕事がしたいと、話してくれた子もいました。

そんな子達だからこそ、やっぱり私は一緒に働きたい、これからのミャンマーを一緒に作っていきたいと、そんな風に思うのです。

まだまだ採用は始めたばかり。
地方の人と信頼を作って、彼らにとって将来の選択肢の一つにちゃんとなるのは、まだまだ長い道のりな気がするけれど。

一歩一歩大切に、焦らずに、一緒のテーブルでご飯を食べながら、
そんな日々を積み重ねて、じっくり関係性を作っていきたいです。

それが一番私たちらしいと思うから。そうやって、私たちの価値観ややりたいことを、ちゃんと知ってもらいたいと思っています。

いつか「おかえり」と言ってもらえる場所になりますように。